コエンザイムQ10の製造方法
コエンザイムQ10の製造方法にはいくつかの種類があり、主に発酵法と合成法によって製造されています。発酵法は天然由来のコエンザイムQ10が得られるため安全性が高く、サプリを選ぶ際には発酵法で製造されたものを選ぶのがおすすめです。
また、コエンザイムQ10には酸化型・還元型・活性型などのタイプがあります。還元型や活性型は高い効果を発揮しますが、製造に特別な技術が必要です。
コエンザイムQ10には複数の製造方法がある
コエンザイムQ10は、細胞のエネルギー産生に関わる酵素の働きを補助する補酵素です。
コエンザイムQ10は1957年にアメリカで発見され、1967年に日本のメーカーによって量産方法が確立されました。
コエンザイムQ10の製法には複数の種類があり、現在は主に発酵法と合成法が用いられています。
合成法
合成法は、タバコなどの植物から成分を抽出し、その成分を化学合成によって調整することでコエンザイムQ10を生産する方法です。
・合成法は安価
合成法には、コストがかからず大量に製造できるという利点があります。
しかし、合成法の場合、化学合成という人工的なプロセスが製造工程に入ります。合成法で製造されたコエンザイムQ10には、正常でない構造の「シス体」と呼ばれるものが、重量比で0.3%程度含まれています。
・安全性に関するデータは不十分
シス体の安全性が問題視されているわけではありませんが、シス体は体内に存在しないものであり、長期間摂取した場合の安全性については具体的なデータがありません。
そのため、多くのメーカーのコエンザイムQ10サプリには、合成法ではなく発酵法で製造したコエンザイムQ10が配合されています。
発酵法
発酵法は、サトウキビ・トウモロコシなどを使って酵母や細菌を培養し、その菌体からコエンザイムQ10を抽出する方法です。
・発酵法は天然由来で安心
発酵法は、合成法と違って人工的なプロセスが存在せず、異常なシス体が含まれていません。そのため、安心して摂取できます。
ただし、製造プロセスがやや煩雑で、合成法に比べて生産性は低めです。発酵法には、製造にコストがかかるというデメリットがあります。
・サプリは発酵法の製品を選ぶのがおすすめ
コエンザイムQ10の原料生産は、主に日本企業が行っています。日本企業の各社は、安全性の高い発酵法で製造を行っており、市販のサプリに配合されているコエンザイムQ10も発酵法で製造されたものが中心です。
しかし、近年では海外での製造も行われるようになっており、合成法で製造されたコエンザイムQ10が使用されている場合もあります。
コエンザイムQ10サプリを選ぶ際には、発酵法で製造している日本の原料メーカーの製品や、サプリに「発酵」と明記されている製品を選ぶと安心です。
その他の製法
コエンザイムQ10の人気は近年高まっており、需要が急速に増加しています。
現在主に用いられている発酵法は、生産性の低さが問題点です。そうした問題点を解決するために、新たな製法が盛んに研究されています。
コエンザイムQ10の製造方法については、高濃度で生産できる酵母の開発が進められています。また、コエンザイムQ10の合成に関わる酵素の遺伝子をイネに導入する方法や、マメ科の植物の根から抽出する方法も開発されています。
2018年現在は発酵法や合成法によってコエンザイムQ10が製造されていますが、今後の研究の進展によって製造方法が大きく変化する可能性もあります。
還元型・活性型などの製造には特別な技術が必要
コエンザイムQ10には、酸化型・還元型・活性型・包接体といったいくつかのタイプがあります。
従来から使用されてきたコエンザイムQ10は酸化型です。酸化型には、吸収率や体内での利用効率が低いという欠点があります。
還元型・活性型・包接体は、酸化型の弱点が改善されたタイプで、特別な方法で製造されます。これらのタイプは体内への吸収率が高く、特に還元型と活性型は体内での利用効率も高いため、効率的に効果を発揮します。
ただし、還元型と活性型は酸素に触れると変性してしまいます。これらの製造には特殊な技術が必要であり、製造コストが高めです。そのため、サプリも比較的高額です。
還元型のコエンザイムQ10についてはこちらの記事で解説しています＞＞
活性型について詳しくはこちら＞＞
包接体について詳しくはこちら＞＞
以上のように、コエンザイムQ10にはいくつかの製造方法があります。
サプリを購入する際には、発酵法で製造したコエンザイムQ10が配合されている製品を選ぶと安心です。
また、製造に特別な技術が必要な還元型・活性型・包接体が配合されている製品を利用すれば、効率的に効果を得られます。
コエンザイムQ10サプリを購入する際には、製造方法をチェックしてみることをおすすめします。
